【人材マネジメント】人事システム(能力開発)

人事システムは、採用から退職に至るまで、人事戦略に基づいて、人材をどのように活用・管理していくかを定めたものです。
この人事システムは、

  • 採用・配置システム
  • 評価システム
  • 報酬システム
  • 能力開発システム

の四つのサブシステムから構成されています。

人事システム

今回は、能力開発システムについて解説していきます。

能力開発システムは、従業員が必要な能力要件を満たすために、どのように開発していくかを課題としています。

能力開発の目的

そもそも能力開発システムは、何を目的としたものなんでしょうか。
企業にとって能力開発の目的とは、企業戦略遂行に必要な業務を遂行できる人材を育成し、求める人員構成を実現することです。

人材育成は企業にとって、コストの掛かるものではありますが、企業の競争優位の源泉となる個人や組織の知識を確立するための、戦略的投資と捉えることが重要です。

例えば、優秀な営業担当者や、熟練した職人のノウハウは、競合企業が簡単に真似できないもので、自社の優位性を支える源となります。このような人材を育てることは、まさに戦略的な投資と言えるでしょう。

 

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開発すべき能力の分類例

能力の定義方法はさまざまですが、まず能力の活用の場に着目して、一般能力と企業特殊能力に分類する捉え方があります。

一般能力
  • どの企業でも役立つ能力
  • 意識的に教育することが可能

一般能力とは、どの企業で働いても役に立つ能力であり、例えば新入社員研修で学習した基本的なビジネスマナーや、論理的思考力などがこれにあたります。

企業特殊能力
  • 特定の企業でのみ役立つ能力
  • その組織で仕事をする中で習得される能力

企業特殊能力とは、その企業においてのみ役立つ能力であり、例えば会社の商品知識や、ある企業だけで使われている
特殊な機材を扱える能力などがこれにあたります。

また、その他によく用いられる分類として、ハーバード大学教授のロバート・カッツによるの3能力があります。

マネージャの能力(カッツの3能力)
  • テクニカル・スキル
    業務遂行に必要な遂行能力や業務知識

  • ヒューマン・スキル
    対人関係能力

  • コンセプチュアル・スキル
    事象を概念化して捉える能力

能力開発の設計方法

能力開発を設計する際には、『誰に対して』『何を』『どうやって教育するか』を検討する必要があります。

誰に対して教育するのか
  • 階層別教育
    即位や勤続年数などの階層に属する対象者全員に対して実施される階層別の教育。
    全員に一律で実施することで、対象階層の従業員全員のレベルを底上げすることができます。

  • 目的別教育
    企業の教育企画者が用意した研修や教育プログラムに希望者が参加する教育

  • 選抜教育
    優れた人材や強化したい人材を、企業側が選抜して実施することから、エリート教育の色が強い教育と言えます。
何を教育するのか
  • 知識・スキル
    知っていることや、できることが仕事を遂行する上で、直接的に必要となるような作業において有効です。

  • 態度・行動
    社員が自分自身で考える力を養い、それを実践していく力を養う教育です。
    対象者が身に付けるまでには時間を要するものの、一旦身につくと、対象者の態度行動が改善され、その状態が維持できるという特色があります。
どうやって教育するか
  • OJT
    職場での実務を通して行う教育であるオンザジョブトレーニング
    職場で仕事をしながら仕事を覚えるため、集合研修などでは学べない現場に根ざした仕事のコツを学ぶことができます。そういった意味で、企業特殊能力を身に付けやすい教育方法と言えます。

  • OFF-JT
    集合研修やセミナーなど、職場以外での教育であるオフザジョブトレーニング
    職場以外で集合研修やセミナーで、参加者全員に共通的な学習内容を一斉に教育するものであり、一般能力を学ぶのに、より適した教育方法です。

能力開発には様々な手法があり、手法ごとに異なる特徴があります。

能力開発システムを設計するにあたっては、企業の戦略実行と、長期人材育成を見据えて、誰に何をどうやって教育するのか、組み合わせを描いていくことが求められます。

キャリア開発の視点

能力開発の目的は、企業戦略遂行に必要な業務を遂行できる人材を育成し、求める人員構成を実現することです。これは能力開発の主体を、組織の側に置いた考え方です。

一方で、組織で働く個人の側も、自身のキャリア開発を企業任せにせず、主体的に行っていく必要があります。

個人の視点
  • エンプロイアビリティを意識して主体的にキャリアを考えて行動
    労働市場の流動性が高まるなか、個人の中には自分は将来どうなりたいのか、自分には雇用されるだけの能力
    すなわちエンプロイアビリティがあるのかを自問しながら、主体的にキャリアデザインを描いていくことが求められます。
企業側の視点
  • 従業員のキャリア開発に必要な情報や機械を提供
    企業の側には、従業員がキャリア開発を行うために必要な情報機械を提供するということが求められます

能力開発のまとめ

企業にとって能力開発は、企業戦略遂行に必要な業務遂行ができる人材を、育成し求める人員構成を実現することを目的としています
この際、人材育成をコストではなく、企業の競争優位の源泉となる個人や組織の知識を確立する戦略的投資という視点を捉えることを忘れてはなりません。

そして、能力開発制度の設計においては『誰に対して』『何を』『どうやって教育するか』を検討します。それぞれに、いくつかの切り口や種類があります。

人材育成は、企業だけが考え提供するものではありません。従業員側も自ら主体的にキャリア開発を考えることが大切です。

能力開発のまとめ

企業にとって能力開発は、企業戦略遂行に必要な業務遂行ができる人材を、育成し求める人員構成を実現することを目的としています
この際、人材育成をコストではなく、企業の競争優位の源泉となる個人や組織の知識を確立する戦略的投資という視点を捉えることを忘れてはなりません。

そして、能力開発制度の設計においては『誰に対して』『何を』『どうやって教育するか』を検討します。それぞれに、いくつかの切り口や種類があります。

人材育成は、企業だけが考え提供するものではありません。従業員側も自ら主体的にキャリア開発を考えることが大切です。

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