組織の構成員の行動を、規定するような価値観や行動規範のことを、組織文化と言います。また、組織構成員が共有する『信念』『価値観』『行動規範』の集合体と、言い換えることもできます。
今回は、この組織文化について解説していきます。
組織文化については以下の記事でも取り上げていますので、併せてお読みください。
組織文化の効果
- 意思決定や行動の迅速化
組織文化は組織の構成員にものの見方や、判断の指針を与えることで、意思決定や行動のスピードの迅速化をもたらします。 - 凝集性の向上と自由の付与
組織文化があることにより、同じ価値観や信念を持って仕事ができることから、組織としての求心力は高まります。
その一方、組織文化に従っている限り、細かなルールを必要とせずに、自由に行動できる余地が生まれるという効果もあります。 - 組織能力の向上
長年にわたって組織構成員の行動が積み重なってきた組織文化には、先人たちの知恵が埋め込まれており、組織としての判断力と実行力を向上させる機能があります。
このように良き組織文化は、組織内に統一感を持ったスピーディな行動や、意思決定の効率化などをもたらします。そのため、揺るぎない組織文化の存在は、企業の競争力を高めるとも言われます。
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組織文化を形成・維持するためには
- 創業者の意思
- トップマネジメントの言動
スピーチや様々な場面での発言 - 採用
組織文化を受け入れ、体現できるメンバーを採用 - 評価
重視する項目や評価の方法 - エピソード・神話
組織が何に価値観を見出すかを示す - 儀式
朝礼での社訓の唱和
このような機会や仕組みを通じて、組織文化は生み出され、またその先の構成員へ組織文化が伝えられていきます。
組織文化は、人事システムや組織構造とは異なり、直接的に設計することはできません。しかし、意図を持って働きかけを重ねることで、企業は組織文化の形成に間接的に影響を与えることができます。
組織文化を形成するための留意点
組織構成員の『ものの見方』を固定化し、環境変化を見過ごすことにつながる場合があることには、注意が必要です。
また、人材マネジメントの他の要素同様、経営環境の変化に合わせて組織文化も変えることが必要となる場合があります。
組織文化のまとめ
組織文化とは、企業の構成員によって共有されている価値観行動規範信念の集合体です。
そして、組織文化は『意思決定や行動の迅速化』『凝集性の向上と自由の付与』『組織能力の向上』を通じて、企業の競争力を高めることにつながります。
組織文化は企業が直接設計可能なものではありません。しかし、意図を持った働きかけにより、企業は組織文化の形成・維持に間接的に影響を与えることが可能です。
人材マネジメントの続き
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