【リーダーシップ】リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーやマネジャーにとって、リーダーシップとマネジメントはとても大切な要素ですが、具体的にどのようなことを指すのか考えたことはありますか?

従来は一定の環境のもとにおいて、予め定められた戦略をいかに実践していくかが重要視されていました。そこで決められたルールの中で、効率的に組織を運営するマネジメントが、経営者やマネージャーに求められる能力の中心をなしてきました。

しかしグローバル化やITの進歩などにより、環境変化が厳しくなった現代において、企業には環境に適応して、変わり続けることが求められるようになり、不確実性の高い状況において変革を推し進めるリーダーシップが注目されるようになってきました。

このように企業を取り巻く環境によって求められる比重には変化があるものの、現代の経営者やマネージャは、リーダーシップと
マネジメントの両方の能力を備えていることが求められます。そして、目的や状況に応じて、使い分けていくことが必要です。

今回は、そのリーダーシップとマネジメントの違いについて解説していきます。2つの『違いと意味』を理解し、日頃の業務やコミュニケーションに役立ててください。

 

リーダーシップとマネジメントの違いとは

リーダーシップ

リーダーシップとは一言で言うと、人の組織を動かし、変革を推し進める機能です。リーダーシップで、集団を導いて、新たなルールや仕組みを作っていくと言えます。

変革の推進
  • 長期ビジョンの提示
  • メンバーの統合
  • メンバーの動機付け

具体的には、不確実性の高い状況において、長期的ビジョンを提示したり、ビジョンを示すことでメンバーをまとめたりメンバーの動機付けなどを行っていきます。

 

マネジメント

一方マネジメントは、定められた戦略やルールに基づき、効率的に組織を運営する機能と定義されます。一旦決めたことを、きちんと回していく行為です。

効率的な組織運営
  • 短期的計画
  • 予算立案
  • 組織構造設計
  • 人員配置
  • 予算管理
  • 問題解決

具体的には、短期的計画予算を立案したり、組織構造の設計人員配置したり、予算や実績管理などを行い、詳細計画のコミュニケーションを行って、問題解決をしていきます。

なお、リーダーには、リーダーシップとマネジメントの両機能が求められます。

 

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リーダーシップとマネジメントの使い分け

リーダーやマネジャーに、リーダーシップとマネジメントの両要素が求められるとするならば、どのように使い分けていけば良いのでしょうか?

変化の激しい現代において、全てが計画通りに進むということはほぼあり得ません。そこで変化に対応して、新しい方向性を考えることが必要になります。また、新しい方向性に沿って行動を起こしてもらうためには、メンバーがこの人についていこうという気持ちになるよう、リーダーやマネジャーは、対人コミュニケーションを用いた働きかけを行う必要があります。
これがリーダシップです。

一方で、例えば年初にトップダウンで、戦略が示されたとします。特に状況に変化がない限り、リーダーやマネジャーには、この戦略から外れた行為は慎み、戦略を達成できるように自身が担当する部門やチームを方向付けることが求められます。
これがマネジメントです。

新しい挑戦や、不確実性が高い中で、リーダーやマネジャーの役割を担う場合

例えば、比較的長期のビジョンを描き、メンバーたちに共有して、やる気を起こさせることが有効です。

リーダシップとマネジメントの使い分け_1 

リーダーシップを発揮しながら、人や組織を動かして、試行錯誤しながら変革を推進し、戦略やルールを作っていきます。

 

定常業務で確実性が重視される中で、リーダーやマネジャーの役割を担う場合

計画を立て、メンバーの活動をある程度管理しながら業務を進める方が、効率が良いです。

リーダシップとマネジメントの使い分け_2

運営という要素が強くなり、マネジメントで、人や組織を管理していきます。

このように、リーダーシップとマネジメントは、目的や状況を把握した上で、使い分けていくものです。

 

部下の習熟度に応じたリーダシップとマネジメントの使い分け

リーダーシップとマネジメントは、部下の習熟度に応じても、使い分けることが重要と言えます。ここでは、参考例として、部下の業務習熟度別のリーダータイプを見ていきます。

部下の習熟度に応じたリーダシップとマネジメントの使い分け

例えば、部下の習熟度が低い場合、具体的に指示を与え管理する指示型や、部下の意見を取り入れつつも指示を与えるコーチ型のスタイルが良いとされます。

一方、部下の習熟度が高い場合は、部下のモチベーションを上げた上で達成支援をする支援型や、権限移譲して自由に進めてもらう委任型がより良いスタイルとなります。

四つのスタイルを比べてみると、『部下の習熟度が低いほどマネジメント機能』が、『部下の習熟度が高いほどリーダシップ機能』が重要視されています。

部下の習熟度によって、リーダーシップとマネジメントを使い分けることも重要であることが分かります。

ただ、実際のマネージャを調査してみると、リーダーシップとマネジメントを使い分けられる人は少なく、四つのスタイルのうち、得意なリーダーシップスタイルを常に使う傾向があるようです。

ぜひ、前述の目的や状況に加え、部下の習熟度に応じたリーダシップとマネジメントの使い分けで、組織やチームの力を最大限発揮してください。

 

リーダシップとマネジメントの違いのまとめ

リーダーシップとマネジメントは、どちらがより優れた機能ということではありません。しかし、現状は、よりリーダーシップが注目される傾向にあるのではないでしょうか。

その理由の一つとして、昔は部下はマネジメントするものという前提があり、マネジメントだけでうまくいかない反省から、リーダーシップが生まれたという背景があります。

しかし実際には、今まで見てきた通りリーダーシップとマネジメントは等しく重要です。両機能を遂行できるスキルを身に付け、目的や状況に応じて使い分けていくことになります。

リーダーやマネジャーとしてのやり方の違いがあったとしても、本来リーダーやマネジャーが達成すべきことは変わりません。たとえば、『課題を特定』し、人的ネットワークを構築しながら『課題達成』するといったプロセスは、マネジメントでもリーダーシップでも同じです。
あくまで違いは、リーダーやマネジャーが目的を遂行する上での、具体的な手法です。

リーダーシップとマネジメントの違いや使い分けを意識して、今後の実務に活かしてみてください。

 


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